ストレス(心)の影響が体(身)に現れる病気の代表的なものが心身症です。心身症というと、こころの病気と思われがちですが、これは病名ではなく病態の総称で、ストレスが蓄積されたために身体に疾患が現れた状態を言います。その病態は、循環器系、呼吸器系、消化器系、神経系、泌尿器系などと、あらゆる領域に現れます。
心身症の分類
身体に疾患が現れた状態ですので、まず内科など身体を診察してくれる診療科を受診する必要があります。その中で、現れた症状が身体因(例えば、喘息の症状が出現した場合に、原因となるアレルゲンがハウスダストなど)によるものであれば治療はその診療科が担当となりますが、原因が身体因ではなく言います。その病態はストレスの関与が強く疑われる場合には心療内科が担当になります。当院でも、心身症が疑われる場合には、まず内科的な検査(血液検査、心電図など)を行い、症状に対しストレス因がどこまで強く関与してるのかを丁寧に問診で聴取し、診断を行います。
原因が身体科的な場合は、もちろんその治療、例えば、高血圧の場合は降圧剤を処方する、などの治療を行いますが、原因にストレスの関与が強く疑われる場合には、そのストレスを遠ざける方法や対処する方法を診察の中でご一緒に考えます。その上で、どうしてもストレス因が除去できない場合にのみ、抗不安薬などの薬物治療を行う場合もありますし、非薬物治療として、リラクゼーションを取り入れた筋弛緩法や呼吸法、並びに自律訓練療法を行います。