睡眠障害は広く睡眠に関する病気全般を指す言葉です。前・後述のような精神疾患に伴う病状に睡眠障害が現われることが多く見られます(例えば、うつ病の症状に不眠が見られるなど)。睡眠自体の病像としては、主に睡眠障害国際分類によって主に6つのグループに分けられます。
睡眠障害では主に以下のような症状があらわれます。気になる、当てはまると思うものがある場合は、一度心療内科を受診されることをおすすめします。
診察の中で、どのような症状がいつから出現しているのか、その症状の出現に何かきっかけや原因はあるのかなど、まず問診を丁寧に取ります。もちろん睡眠自体の障害ではなく、うつ病など他の精神疾患の有無を鑑別していきます。これらが除外されれば診断は比較的容易につけられますが、一部、睡眠関連呼吸障害や過眠症や睡眠時随伴症などが疑われる場合には、終夜ポリソムノグラフィー(PSG)検査などが必要になる場合があります。
先に述べたように、睡眠障害はうつ病や不安障害などの他の病気が原因で起こっている場合もありますので、当院では診察の中で睡眠障害の原因とそのタイプの見極めを正確に行うことを重視しております。睡眠障害の治療は主に薬物療法が主体で、睡眠薬や一部抗不安薬や抗てんかん薬を用いることもあります。睡眠障害のタイプによって処方する薬の内容が変わってきます。また、睡眠導入薬は当初はしっかりと飲んでいただき、症状が良くなった段階で依存性や耐性を考慮ししっかりと減薬していくことが大切です。この際に、自律訓練療法という、睡眠に対する不安や恐怖を和らげるセルフトレーニングを併用することで、お薬を減らしたり終了することも可能になります。 また、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠・呼吸機能の簡易検査を当院では行っておりますので、夜間のいびきや日中の過度な眠気を催すときには診察時にご相談ください。 ※特殊な睡眠障害(ナルコレプシーなど)に関しては、PSG検査が必要になりますので睡眠専門のクリニックや睡眠専門関連施設をご紹介いたします。
照明やテレビ、パソコン、スマホなどの光によって視覚に刺激が与えられると、脳にも刺激が与えられるため、睡眠障害の基になる場合があります。処方した睡眠薬の効果も落ちる場合がありますので、睡眠薬は必ず寝る20〜30分前に飲むようにしてください。もちろん睡眠薬を飲んだ後のスマホやテレビは必ず控えてください。治療において睡眠導入薬はあくまで補助的な役割を果たすものであり、カフェイン、ニコチン、アルコールなどの過剰摂取をできるだけ避けるなどの正しい生活リズムを作る事や適切に睡眠に入るための生活習慣が一番大事ですので、この点も診察の中でお話してゆきます。